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『ハンガーにも頭がある』

人の代わりに洋服を着るハンガーは、人と同じように各部分に名称がございます。中田工芸独自の呼び方ですので一般的でないかもしれませんが、社内では工場の職人から営業まで打ち合わせの際、共通の名称で呼び合い、共有しています。

トップスハンガー

ジャケット・コート用

各部分の名称は画像の通りです。(中田工芸独自名称)
このような名称をつけることにより、ハンガーの細部まで現場へ指示することが可能です。そんな中で今回は、ハンガーの「顔と頭」についてお話します。洋服を掛けると、ハンガーの見える部分は、ほんの一部です。

シャツ用

■頭、顔、フック部分
あくまでも洋服の引き立て役であるハンガーは、洋服のシルエットを美しく見せることも 役割ですが、ほんの少し洋服から覗いている顔と頭はハンガーのデザインにとって非常に 重要な部分です。

ハンガーの頭の形状は、ほぼ丸頭(まるあたま)と平頭(ひらあたま)に分かれます。

Tシャツ用

■丸頭デザイン
ハンガーと言えばこの形状。ハンガーの歴史の中でも丸頭は古くから好まれているデザインです。曲線が洋服全体に柔らかな印象を与えます。主にカジュアルストアや裏原系ショップで好まれることが多く、幅広いジャンルで使われています。顔面に入るロゴは縦長なものでもバランス良く入れることができます。また、アパレル以外でホテルや旅館用では、ほぼ丸頭のハンガーが使用されています。

ニット用

■平頭デザイン
ストレートにカットされた頭は、シャープな印象を与え、ハンガーを多数陳列したときの整列感が非常に高いです。重厚感のあるジャケットハンガーは平頭が多く、主にテーラー屋などの紳士服に昔から相性が良いです。近年はキレカジ系やきれいめ系のショップでは、清潔感をアピールするため、平頭デザインが非常に増えています。横長の文字ロゴなどが顔面にバランスよく配置できるため、シンプルな横長ロゴが主流のアパレル業界には相性が良いデザインです。また、年によってこの傾向は変化しており、丸頭の注文が集中する年もございます。アパレル全体に影響を与えるようなブランドが登場した場合、ハンガーも比例して影響することもあります。

【その他のデザイン】

ボトムハンガー

■山型タイプ

アンティークハンガーに良くみられる、レトロなデザインです。ハンガー製作の途中過程では、中心で接着するため、接着しやすい画像の様な山型デザインで一旦製作して、ここから丸頭、平頭に削っていきます。そのため製造側からは作りやすい形状かもしれません。

スラックス用

■トレンチ型

顔面をえぐることにより、アクセントになり、洋服全体の高級感を押し上げます。

ドレス用

■華奢感を強調

左は頭・顔を最小限に小さく製作、右は顔から肩に向かうラインを細くしました。どちらも洋服を掛けた時に華奢なイメージを作り、すっきりしたディスプレイが可能です。

和装用

■強調タイプ

脇役のハンガーをあえて顔を強調して、ブランドロゴやブランドの世界観を表現する形状。 洋服の個性が強いものには、ハンガーも合わせて強調させても良いと思います。

このように、ディスプレイ用ハンガーにとって顔と頭は、唯一お客様の目に触れる大切な部分です。洋服に触れていない部分でブランド表現をしては如何でしょう。
私たちは、ハンガーを通じて時代の流れを感じながら、常にアパレル様、洋服にとって最適な ハンガーはどんなものか考えています。もちろん、お客様から刺激を受けることも多く、 洋服とハンガーの関係性をもっと深堀していきたいと思います。